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骨はたたくだけで 何歳からでも強くなる!

骨は歳をとるともろくなっていくもので、強くすることはできないと思っている 人が多いようです。そのため、骨粗鬆症と診断された人は、薬を飲んでそれ以上、 骨がもろくなるのを抑えようとします。 でも、これは誤りで、骨は上手に刺激を与えればしっかり育ちます。 骨以外の体の器官は、皮膚でも筋肉でも、傷ついたり、裂けたりすれば必ず傷痕 が残りますが、骨は折れてもうまく繫がれば傷痕は残らないほど完全に再生します。 このような器官は骨だけで、骨は100 再生します。骨の完全再生は、年齢に関 係ありません。若いほうが回復が早いのは確かですが、たとえ高齢になっても、骨折すると骨を作り出す骨芽細胞の働きが活発になって、骨は修復されるのです。逆に、骨は動かさなかったり、重力や負荷がかからなかったりすると、強い骨は必要ないのだと体が判断し、骨芽細胞よりも骨を壊す破骨細胞の働きのほうが活発になり、骨はもろくなっていきます。病気や怪我で何日も寝たきりの状態でいると、 立ったり歩いたりするのが困難になるのは、骨が弱くなってしまうためです。 つまり骨を丈夫にするために必要なのは動かしたり、重力をかけたり、負荷を与 えることです。そして、最も簡単に骨に負荷をかけられる方法が「たたく」ことです。 たたくと、骨が振動してそのバイブレーションが骨の中まで伝わります。この刺 激によって、効果的に骨が育つのです。さらに、骨をたたくと筋肉や腱、関節がゆるんで動きがよくなり、骨格のゆがみが改善します。骨が強くなるだけでなく、ゆがみも改善するので、歩行が困難だっ た人も歩けるようになっていくのです。たたくだけなので、高齢の方でも簡単にで きます。実際、私が骨たたきを指導しているデイサービス施設「金のまり」では、 たくさんの高齢の方々の骨密度が上がったというデータがあります( ページ参照)。 このように、骨はたたくことで何歳からでも強くできるのです。

骨ってなんで大事なの?

 骨には、実にさまざまな機能があります。まず、骨の大きな役割の一つに、体を支えるという重要な役割があります。人体 に骨がなかったら、体の支えがなくなって、立つことも動くこともできません。また、骨にはデリケートな臓器を保護するという役割もあります。柔らかい組織でできた脳を守るのは、硬い頭蓋骨ですし、心臓や肺は、背骨、胸骨、肋骨からなる胸郭によって守られています。そして長くくねった腸を支えているのは腸骨です。 このように骨は、縁の下の力持ち的な存在なのです。でも骨の役割は、このような物理的なことだけに限りません。骨は臓器としても 大きな役目を果たしています。骨には、内部の骨髄で血液を作り出す役割があります。 また、体を病気から守るリンパ球やNK(ナチュラル・キラー)細胞などといった 免疫細胞も骨の内部の骨髄で作られています。それから骨は、全身に約 兆個あるといわれる細胞に、カルシウムを供給してい ます。おもにカルシウムとコラーゲンからできている骨は、自分の身を削るかのよ うに、蓄えたカルシウムを放出し、体内のカルシウム濃度を常に適切に維持するよう、 コントロールしているのです。 さらに、最近、骨から分泌される「オステオカルシン」というホルモンに、記憶力・ 認知機能を向上させたり、生殖能力を向上させたり、血糖値を下げて全身の代謝を 活性化させたり、活性酸素を除去したりといった多くの〝若返り効果〟があること がわかってきました。また、同じく骨から分泌されるホルモン「オステオポンチン」 には、免疫力を高める働きがあることがわかっています。 このように骨が人体で果たしている役割は多岐にわたります。 骨を強くすると、これらの骨の働きも活性化されるようになるので、さまざまな 健康・若返り効果が得られます。 自由に動ける体を作るためにも、元気でイキイキと長生きするためにも骨を強く することが不可欠で、だからこそおすすめしたいのが骨たたき体操なのです。

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