からだの学校 湧気塾とは

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 いつの間にか自分の使うからだの部分はからだのほんの一部でしかなくなり、「昔はできたのに、こんな動きができない」ということを経験していらっしゃる方は多いと思います。

 つまり、私たちは日々自分が使っているからだ以外のあまり使わなくなったからだの部分があることを気づかずにいるのです。

 今の自分のからだに目を向けて、自分のからだを知りたい方、自分のからだと親密なコミュニケーションを取りたいと思っている方、自分のからだでもっと豊かに元気に充実した生き方を望んでいる方、からだのことを素直に学びたい方に、からだの学校・湧氣塾は、年齢を問わずどなたにも分かり易く、からだとはどんなものなのかを考えながら、からだを動かすことでからだを再生、復活させていくための身体技法〈体操〉をお教えしています。

からだの学校・校長  森 菜旺未

〈からだの学校・湧氣塾では〉からだの虚弱化が進む現代、
骨呼吸で元気あふれる身心を培いますlin01

 人間の特性は何かを聞かれると、多くの人は「発達した脳」だと答えますが、人類学者は「二足歩行」、すなわち垂直に立って行動をしていることを上げます。脳の発達は二足歩行の結果生まれてきた第二の特色なのです。

 このことをもう少し丁寧にいい換えると、一般のひとは人間の特質を頭の働き、つまり心や精神の世界を持つことと考えますが、700万年に渡る人類の歴史や他の動物との比較を深く研究している専門家たちは、人間の特質としてまず二足歩行による身体の垂直な基本姿勢をあげ、続いてその延長に生じたいくつかの身体的な特徴を付加えます。

 例えば、様々な道具を作るなどの創造的営為を誘導した手(前肢)の自由さ。微妙なパースペクティブ(遠近法)を持ち、時空を捕らえる視野・視力。独特の呼吸効率のよさを生み出した、移動行為に直接影響を受けない肺の位置と背骨や腰椎も含めた骨格の構造。複雑なコミュニケーションを司る発話を可能にした呼吸と関連する喉(のど)の構造などの進化をあげます。

 したがって人間(の身体)が脳の高度な発達を促され、独自の意識世界を創り出したのは、それらの身体的進化の結果にすぎないともいえるのです。

 すなわち、こころや精神以前に「からだ」というかけがえのない、たくさんの機能を持つ有機的な実体こそが、人間という「生きた現実」あるいは人間という「リアルな現象」を成立させているということです。人間のすべてのその人らしい生き方および創造性は、細胞レヴェルを含めた日々の身体の代謝・生成過程の中から生み出されるものに他ならないということになりますからだの学校・湧氣塾では現代社会で優勢を極めるテクノロジーなど、あらゆる人為を超えた生存のレヴェルで「からだ」から自然に「湧き出す氣」(湧氣・生命エネルギー)を最も重視します。そしてその生命エネルギーを最大限に増幅させながら、同時にまずなによりも骨の構造と機能を調整し(骨のゆがみを取り、骨の機能の強化を計る。血液は骨髄で造られ、ホルモンの調整も免疫T細胞の製造も骨が行っている)「元気」の溢れる「からだ」を培います。

 からだの学校・湧氣塾の目標は21世紀に求められるあらゆる人々や動物、自然との「共生」を実現させながら豊かに強く生きる身心の涵養にあります。

湧氣塾塾長  身体哲学研究所所長  勇﨑 賀雄